2010.11.18 のニュース
ユーザー転嫁 寸前で原油下落 当面は様子待ちか ―先物は値上がり基調―
原油(WTI)は、前週が87ドル/バーレル台で推移したが、週末の12日に84ドル台へ一気に3ドル急落した。15日は84ドル台の横ばいで推移するなど、値動きは激しい。WTI87ドル台、中東産85ドル台で推移すれば業転市況も上昇、仕切価格も値上がりが予想されたが、ユーザー転嫁寸前で急落したため、様子見となりそうである。それでも東工取の先物市場は、ガソリンが54円、灯油が57円台に反発しており、値上がり基調にある。為替は前週の81円/ドル台に比べ83円と円安に転じており、コスト高となっている。業転市況は、ガソリン、灯油とも需要期入りで堅調に推移し、13日から仕切価格が1円程度の値上げとなったことからユーザー転嫁に取組む準備に入っているが、今週の原油価格の動向が注目される。
原油(WTI)は、先週10日の87ドル/バーレル台から12日には84ドル台へと急落したことから、今後の市況対策は微妙となってきた。8日から87ドル後半で推移したため、90ドル乗せも予想される水準となっていたが、前週末から急落した。
原油価格の見通しは難しが、85~90ドルといぅ水準で推移しそうな状況で、冷え込みも厳しくなり、灯油シーズンも本格的になったことで、今後の原油の動向が気になるところである。
灯油の在庫は、例年の水準である300万KLを割る水準で推移しており、すでに取り崩しが始まっているため、この状況で12月は経過しそうである。先物市場は「灯油高のガソリン安」という相場で推移しており、この状況で進めば、灯油はマージンが確保される。
ガソリンの在庫も200万KL割れの低水準となっており、末端市況は連続して下落したため、ユーザー転嫁は様子待ちとなっていたが、ここにきて下げ止めから、小幅ながら反発する動きも出てきた。
仕切価格も値上がりの方向にあるため、ユーザー転嫁に取り組む準備に入っているが、原油価格が今後、値上がりするのか、値下がりするのか、微妙な状況となっている。これから需要期に入るため、原油は値上がりが見込まれるが、現在の原油の相場は、需給ではなく、金融的な要因で動いているため、見通しは難しくなっている。