日刊ニュース

2015.05.28 のニュース

連休ではガソリン需要は回復 前年比では増加も減販傾向が続く

 ガソリン販売は回復の兆しをみせている。木村・石連会長は「連休の5月1~7日でのJXの出荷は前年比で3.7%増となっている。その後は横ばいで推移しており、5月は微増になる」と語っている。
 石油連盟の週報での連休中の出荷は4月26~5月2日が101万キロリットル、3~9日が103.5万キロリットルと2週連続で100万キロリットルを超えており好調で推移した。その後の10~16日は、増加の反動で89万キロリットルと90万キロリットルを割る大幅減となった。今年の連休は天気に恵まれたのと、販売価格が130円台と昨年の170円に比べると割安となったため増販に結びついたことになる。
 このようにガソリン販売は回復が期待されているが、冷静にみると昨年の5月販売は436万キロリットル、前年比で3.8%減と低位である。そのため、前年に比べると増販となっているが、過去の数字を下回っている。
 今後のガソリンの販売基調は年率2%程度の減販が続くとの見通しとなっている。14年度の需要は、前年が消費税の増税、台風の到来による天候不順などの要因で5298万キロリットルで前年度比で4.5%減となっている。大幅減は特殊な要因が重なったためで、減販の反動で15年度のガソリン需要は0.3%の微増を見込んでいる。5年ぶりの増販となるが、前年が大鴨な減販の反動であるため、あくまで統計上の数字である。2年間で平均すればマイナスとなる。
 今後も減販が続くことに変わりはない。減販は省燃費車の普及、少子化、若者の車離れなどの要因があげられるが、今のところ減販を食い止める方策は見当たらない。車の販売も省燃費車、小型車が中心であり、ガソリン消費の多い高級車の販売は低迷している。
 そのため基調は減販が続くが、増販が期待できるのは好天が続くことしか方策はない。ガソリン販売は天候に左右されるため、とくに土、日曜日に雨が降れば、SS経営はお手あげとなる。
 さらにガソリン価格が昨年は170円台に値上がりとなり、ユーザーの消費節約が浸透したことが、減販を定着させたことになる。
 節約志向は数量、金額を決めた限定給油が多くなった。
 その後は値下がりしたため、限定給油が原少したが。節約志向が強くなり、価格に対しては敏感となっている。それだけ販売業者間での価格競争が激化している。
 現在は値上げ局面となっているが、業者間のけん制が続き、ユーザー転嫁の時期、値上げ幅が抑えられて完全転嫁が難しくなった。販売業者がコスト増をかぶることになり、経営難が続くことになる。
 需要増加を狙うには、減税によるガソリン税の引き下げ、高速道路の料金引き下げの要請は出ているが、現状では財源不足で難しい状況にある。SSが減少しており、その解決策としては、減税による安値感から需要喚起を求める意見もあるが、政治問題とからむため、簡単に減税が実現することは難しく、今後の課題となる。
 毎年、石油業界では、増税反対運動を展開しているが、その時点でもガソリン税の減税を要求を行なっている。あくまでも要望に止まっているが、今年当たりからは減税を正面から要望する時期にきている。SSの過疎化対策よりも減税、高速道路の料金引き下げの方が石油業界では重要となる。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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