日刊ニュース

2010.11.24 のニュース

次世代車に戸惑い過ぎない

次世代車の導入に向けた国内の動きが活発化してきた。日産は12月にEVリーフを投入するが、日本での受注は6千台に達した。ホンダもフィットEVコンセプトを米国ロス・オートショーで展示、今年中に実証実験を開始し、2012年の発売を目指すことを明らかにしたほか、12年発売予定のプラグインHV(PHV)技術展示モデルを披露、EV走行最大10~15マイル(16~24km)を実現させる。また、来春には新型シビックHVを投入、リチウムイオンバッテリーを初搭載する。
 そしてトヨタ。12年にiQペースのEVを導入、当面は日米欧で年間数千台規模の販売を目指す。HVでは12年末までに新車名とモデルチェンジを合わせて乗用車系11モデルを投入、うち燃費リットル40キロ以上のコンパクトクラスもラインアップする。また、PHVは12年初めまでにプリウスベースで市販を開始し、国内価格は補助金抜きで3百万円程度、日米欧で年5万台以上の販売を目指す。さらに、セダンタイプの燃料電池HV(FCV)開発を進め、15年ごろから日米欧で水素供給インフラが整備される見込みの地域に投入、国内価格は現時点で1千万円を切る目途がついており、一層のコスト低減に取り組むなどと公表した。
 これらの導入計画・目標は見込みや予定と前置きしているが、パワートレーンの電動化に弾みがつくのは「2012年」が節目になりそうである。だが、各社とも急にEVが普及するとは見ていない。日産でさえ、EVに特化しているというのは誤解と言っている。石油消費を減らす必要性は共通認識となっているが、代替燃料・エネルギーにはまだ課題も多く、しばらくは石油ベースで進み、将来的にエネルギーが多様化していき、「水素は有力」との見方を示している。トヨタの棲み分けイメージでいえば、近距離用途や小型宅配・2輪がEV、乗用車はHVとPHVが中心、中長距離用途のトラック・バスばFCV。エネルギー源は電気、ガソリン、軽油、バイオ燃料、天然ガス、合成燃料、水素などになる。FCVが当初に脚光を浴びた際、期待されていた車上改質でガソリンから水素を取り出す研究も、水面下で続けられているかもしれない。クルマの開発が全方位ならば、SS業者はあまり右往左往しないで、「人」や 「地域社会」に軸足を置くビジネス展開を一層意識してみてはどうか。

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