2010.11.24 のニュース
業者、市況対策に苦慮 ―業転市況をにらみ検討へ―
原油価格がここ一週間で大きく変動しており、販売業者は市況対策の取組みに苦慮している。最近は販売業者も原油価格に敏感に反応するため、直近の業転市況の動向を読みながら対策を検討している。原油(WTI)は11日が87ドル/バーレルであったものが17日には80ドルへと急落しており、18日には81.85ドルヘと戻している。一方、中東産の値動きとWTIとの間にタイムラグが生じており、WTIと同値か又は上回る状況となっている。WTIは本来、割高で推移しているが、中東産高となり逆転している。業転市況は中東産に影響するため、値下がり幅は少ない。そのため、仕切価格の改定は小幅になるがWTIの急落が目立ったため、ガソリン市況対策を難しくしている。
11月11日まで、WTI原油は87ドル/バーレル、中東産が85ドルヘと値上がりしたことから、ガソリンの仕切価格は値上がりとなり、ユーザー転嫁の準備に入っていた。本来ならば今週からの値上げを見込んでいた。
しかし、12日から一転して急落し、80ドル台まで値下がりしたため、ガソリンのユーザー転嫁は難しい状況となってきた。
この原油急落で、東工取の先物市況が直ちに反応して下落したため、ユーザー転嫁に水をさす結果となった。さらに下落すると、ユーザー転嫁から、一転して値下がり局面となることも予想されるため、当面は市況維持となっている。
仕切価格の改定は、直折の業転、先物市況を指標とすることになっているため、販売業者も、原油や業転市況の値動きには敏感となってきた。
加えて、販売業者には思惑が絡んだ動きも出始めている。原油価格が大きく変動したため、対策が難しくなってきたためである。
値上がりが続けば、ユーザー転嫁に取り組むことになっていた。しかし、このところの原油急落で様子待ちとなったが、また値上がりもみせているため、予断を許さない、難しい状況となってきている。