2010.12.01 のニュース
業者 原油変動に戸惑い ―仕切価格は据え置き―
原油価格は大幅に変動しているが、業転市況は横ばいで推移しているため、仕切価格は据え置きが続いている。そのためガソリン市況は当面、現行を維持することになる。原油価格が11月入りで値上がり、13日からガソリンの仕切価格が1円値上げされたが、その直後に原油価格は急落したため、ユーザー転嫁は見送りとなり、未達分を残して12月商戦入りとなる。その後、原油価格は値下がりしたが、業転市況は横ばいで推移しているため、仕切価格も横ばいで推移している。販売業者は原油価格の急落で仕切価格が値下がりすると予想したが、業転市況は値下がりせず、思惑が外れたと戸惑いをみせている。仕切価格が値上がりしたため、中旬からユーザー転嫁を準備したが、その後の原油価格が急落でユーザー転嫁を見送ったため未遂分を残すことになった。
原油価格は、大幅に変動したが、それに比べて業転市況は横ばいで推移している。原油価格(WTI)は11月10日には87ドル/バーレル台に急騰したが、その後、20日には81ドルに急落した。26日には83ドルに戻すなど変動しているが、業転市況は横ばいで推移している。
原油価格が急落した時点で仕切価格が値下がりするとみられたが、業転市況は変動せずに推移した。需給が締まっていることもあるが、業転市況は原油価格下落には直ちに反応しなかった。その結果、販売業者は原油価格の下落を先取りして、ユーザー転嫁を見送りとしたことが裏目に出て、仕切価格値上げ分はかぶりとなった。
最近のように原油価格と業転市況とが直ちに連動せず、その間にタイムラグが生じると販売業者が不利となる。仕切価格が値上げされたら即転嫁しないと仕切価格の値上がり分をかぶることになる。
販売業者も1円程度の仕切価格の値上げでは、ユーザー転嫁は難しいという先入観で対応し、様子をみることになるとタイミングを失うことになる。原油価格と業転市況をみて早目に対応することが要請されるが、仕切価格の変動に即対応しないとマージンを減らすことになるため注意が必要である。
価格競争が激しいため、周辺SSの動向をみて対応することになるが、マージン確保を優先した経営をしないと赤字となる。これから12月商戦に入るため、増販を期待して価格競争に走ることが予想されるが、適正マージンの確保を考えて商戦に臨むべきである。