日刊ニュース

2010.12.02 のニュース

温対税、SSに負担増の懸念

与党・民主党の地球温暖化対策税検討小委がエネルギー起源のCO2排出量2030年に90年比30%削減するため、石油石炭税を増強する案を取りまとめた。昨日行われた同党税制改正プロジェクトチーム(PT)の総会でも改めて議論され、12月10日の政府の税制改正大綱の決定に向けて同PTと政府税調との間で議論が行われる見込みだ。
 これまで全石連は「地球温暖化対策の重要性は認識しているが、そのための新たな税の導入については国民生活や産業活動に大きな影響を及ぼすことは必至である」として強く反対してきた。
 今回の小委員会が取りまとめた案では、石油石炭税を活用してすべての化石燃料のCO2排出量に着目して課税するもので、ガソリン、軽油、灯油にリットル0.79円の増税になるという。天然ガスや石炭に対しても課税されるが、具体的な数字はまだ明らかになっていない。同PTの議論では「この厳しい政治情勢の中で増税はすべきでない」、「導入するなら景気が良くなってからだ」などの声もあるが、温暖化防止対策を実施するためには温暖化対策小委の取りまとめを容認する意見も多い。
 「地球温暖化対策のための税」として石油石炭税が増税される場合、最も大きな影響を受けるのは、我々徴税の最前線を担う石油販売業界である。増税案には実施の際は「急激な負担にならないように配慮すべき」などの指摘もある。そうなると実際はどうなるのかというと、0.1円を何段階かに分けて、じわじわと増税することが想定される。その場合、元売からは請求書に増税分がきちんと載せられるが、店頭での価格転嫁はさらに難しくなる。SS店頭では銭単位の値上げなど不可能だ。結局、値上げできなかった分はSSが被ることになる。
 石油販売業界と若手議員の勉強会を主宰する民主党の吉田おさむ衆議院議員(大阪4区)は「4万のガソリンスタンドが5兆円の税を徴収している。規制で保護されていた時代は仕方がないと思われていたが、規制緩和・自由競争のいま、これらの税が経営の足を引っ張っている。徴税マシーンとなっているガソリンスタンドなどへの配慮が必要」と大きな声で支援してくれている。
 このような実態を理解し、中小SSを応援してくれる議員をさらに増やすことが必要だ。

提供元:全国石油商業組合連合会
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