2010.12.13 のニュース
元売5社生産体制整う JX効果で需給は安定 ―業転市況も透明化―
石油各社とも需要に見合った生産で対応しており、製品需給調整はスムーズに行われている。JX日鉱日石エネルギーの発足で、大手の元売は5社体制となったことから、業転市場での売買も透明化されたことになり、各社の対応も読めることになってきた。各社のジョイント方策も、製油所の配置、生産能力、地域の販売力からみて明らかになっており、設備処理能力の削減、設備廃棄などの思惑も絡み、今後は製品需給の調整が一段と進むことになる。現在は、その前段階にあるが、元売の集約で、各社とも供給ルートが明らかになりつつあるため、一時的に無理して増生産、増販を狙う動きも自粛する方向になってきた。上期では、需給調整によってマージンを確保したことも好材料となっている。
元売が5社体制となったことから、各社の生産、販売の手の内も明らかになり、製品の需給調整もうまく機能してきた。
業転市場での売買も相手がハッキリしてきており、ルートも定着してきたようである。無理に生産し、供給増によって市況を下落させるよりも、マージン確保を優先する方向になってきた。
国内では増販が期待できないため、製品輸出増で対応することになる。輸出は海外市況と絡むが、マージンが減少しても、国内需要を安定化させるため、輸出には積極的に取り組んでいる。国内販売の上期は、猛暑の影響で増販となったこともあり、需給調整の好材料となっている。下期は需要期であるため、上期に比べれば増販、増産となるため、需要に見合った生産で対応している。
焦点は、灯油の販売となるが、暖かい日が続き、出荷が鈍っているが、今後の寒波到来を待つ構えにある。
過去においては、暖冬気味になると、思惑が働き、市場への売りが先行して、市況が下落するが、今年はスタートから低在庫であることもあって、販売が伸び悩んでも値崩れすることなく安定している。
灯油は、夏場で下落して、冬場になると値上がりするパターンであったが、最近は夏場での下落幅は少なく、そのまま冬場に入るため、市況が大幅に変動することもなくなってきた。