2010.12.21 のニュース
来年こそ、精販一体の飛躍を
SS店頭から、売上不振と嘆く声が最近よく聞こえてくる。ガソリンは猛暑以降の減販傾向が強まり、軽油はディーゼルトラック台数の減少継続に連動、灯油は暖房エネルギーの転換、油外商品は08年の原油高騰を契機とした節約指向が続いているという。
週末には待機車が列をなすこともあるホームセンター、大型量販店など、ごく一部のSSを除けば、どれかは当てはまるのではないか。すべて該当するのかも知れない。大都市部では、セルフ転換に伴う発券店値付けカード客の流入が、フルSSの減販抑止効果を生じさせたものの、量あれど益なしの歪みも誘発している。
資源エネルギー庁が公表した09年度のガソリン供給ルート別販売実績によると、販売シェアは一般特約店の直営44%、販売店13%、商社系特約店の直営1%、販売店7%、JA系5%などに対し、元売子会社が18%にまで高まったことが明らかになった。10年間で子会社シェアが11%も伸びたのに対して、一般特約店は11%、販売店は4%それぞれ減っている。JA系は0.6%減。販売量とSS数の推計から単純試算すれば、子会社は一般特約店ルートの4倍程度、商社系ルートの2.5倍程度を1SSで販売している可能性があることになる。
減少トレンドの一般特約店ルートを尻目に、急速に増勢し続ける子会社SS。多くは主要街道沿いに店を構え、来店台数のみならず、価格表示などによるPR効果も大きいだけに、業界健全化に向けて影響力を行使し、精販一体となった飛躍のパイプ役を果たしてほしい。子会社こそ、1円の重みを最も感じているであろうから。系列業者の思いは、十分に伝わっているはずだ。当然、その“親”は子の行動を見守るとともに、系列店の模範となって共栄の希望をかなえてほしい。
多くの組合員が先行きを心配している。地下タンク問題がSS撤退に拍車をかけようとしている。埋設後40年以上経った“古い”という側面が強調され、対策措置を画一的に突きつけ「改修か、撤退かの二者択一を迫るもの」と、時に不安の念にさいなまれたり、時に憤懣やるかたなき思いを抱き、来年への希望を見いだせないとの悲嘆が蔓延している。SS減が全国への安定・安全・安心供給に応え切れない社会問題になった時には、地場中小業者が壊滅的打撃を被っていることになる。