日刊ニュース

2010.12.21 のニュース

グロスマージン減少傾向 ユーザー転嫁が遅れる ―販売業者は厳しい状況に―

ガソリンのグロスマージンの確保が重要となってきた。仕切価格の見通し(ブランド料の引上げなど)は定着しているが、ユーザー転嫁が遅れ気味であり、販売業者のマージンが圧縮されてきた。原油価格はWTIで88ドル台に高騰しており、コスト増となっているが、末端市況は横ばいか小幅な値上がりに止まっている。元売は仕切価格の値上げ分を販売業者から回収しているが、業者はユーザー転嫁の遅れでマージンは減少し、収益減となっている。そのため、業者から元売に対して支援を求める動きも出ているが、元売サイドでは値上げ分はユーザー転嫁で回収するよう要請しているもので、マージンを巡って元売と業者の綱引きが行なわれている。
 ガソリンの末端市況は安定して推移しているが、コスト増によるユーザー転嫁が遅れ、販売業者のマージンが減少している。
 元売は仕切価格の見直しで、ブランド料などの引き上げでマージン増となり、上期の決算は改善された一方、販売業者も市況を維持してマージンを確保していたが、ここにきて価格競争が激しくなり、マージンが圧縮されてきた。
 販売業者はそのツケを、元売に支援策として求めているが、元売は突き放している。しかし、市況が低迷し、販売業者のマージンが減少して経営難になると、元売にも影響するため、自助努力での市況値上げを要請している。
 市況低迷の影響については、安い業転玉の出回り、HC、量販店の安値攻勢をあげて、元売に仕切価格の調整を求めている。いずれにしても、販売価格と仕切価格との差であるグロスマージンを、元売と販売業者が分け合うことになる。
 双方でマージンを取り合うのではなく、末端価格を値上げして、マージンを確保すべきである。今のところ、元売の取り分が多いという見方が、販売業者間に残っているが、元売も業転玉の放出を少なくして、市況是正に協力し、販売業者も値取りに専念すべきである。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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