日刊ニュース

2010.12.22 のニュース

原油価格 高値が続く 為替も円安でコスト増に ―業者、転嫁が遅れマージンは減少―

原油価格はWTIで88ドル/バーレル台と高値で推移、為替は83~84円/ドルと円安に転じており、コスト高となっている。一方、ガソリンなどの末端市況は小幅な値上がりか横ばいで推移しており販売業者のマージンは減少している。石油情報センターの週動向調査ではガソリンの平均価格は133円/Lの横ばいとなっている。20~30銭の小幅な値上がりをみせているが、コスト増を転嫁するには至っていない。首都圏ではボトムを130円台乗せを狙っているが街道沿いSSは125~6円が中心値となっている。灯油は、ここにきて冷え込み荷動きも活発化しており、先物、業転市況も61円台となってきた。灯油は本格的なシーズン入りで「灯油高のガソリン安」という価格体系となってきた。そのため灯油のSS店頭価格は80円。配達は90円へと値上がりしている。
 ガソリンは年末商戦に入り、各SSも増販を狙っている。とくに街道沿いSSでは、これからがヤマ場となるため値取りよりも増販を期待する動きをみせている。小幅な値上がりをみせているが、石油情報センターの調査価格は133円の横ばいであり、このままで推移しそうである。
 灯油はここにきて冷え込みが厳しくなり先物、業転市況は61円/Lと値上がりしてきた。元売在庫も270万KL程度と300万KL割れの低在庫であり需給はタイトである。在庫は、このままの低水準で推移するため、市況は安定している。需要は大幅な増加は見込まれず、販売業者も、灯油は増販よりも値取りを優先している。そのためSSでも目玉商品として扱うケースは減少しておりマージンを確保している。
 原油価格は88ドル台と値上がり90ドルに接近している。
 今のところ88ドル台で安定しているが、アメリカ、欧州には寒波が到来しており、高値で推移しそうである。為替も一時は80円/ドルの円高で推移したが、最近は84円と円安に転じており、コスト高となっている。
 原油価格は70~80ドルの範囲で推移するとの見通しとなっているが、80ドル台後半の高値で推移しているため、ガソリン市況は、あと一段の値上げが必要となる。販売業者のマージンは減少しているが、灯油の増販でカバーしている。SS経営も一息つき安定しているが、今後も増販が期待できないことから適正マージンの確保を優先した経営が望まれる。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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