日刊ニュース

2011.01.12 のニュース

燃料油販売は微増で推移 ―落ち込みに歯止めがかかる―

 燃料油販売は微増で推移している。4~11月でみると前年同期で1.5%増となっている。油種別では、A重油が4%減となったが、他の油稲は増加となった。ガソリンが2.1%増、軽油は1.7%増など白油は増加、C重油も3.1%増加となっている。平成22年度の需要見通しでは、前年比で4.2%減となっていたが、この見通しを上回っている。とくに夏場の猛暑でガソリン、電力C重油が増加したことが影響した。景気も回復の兆しをみせたが、猛暑が増販に寄与したことになる。
 月別でみると4~9月(上期)は2.1%増となった。うち、5~6月はマイナスとなったが7~9月はプラスとなった。下期は10月が3%の減、11月が2.8%の増となっている。
 下期の需要見通しもマイナス(エネ研は2.5%減)を見込んでいるが、これも、天候次第で厳冬になれば需要回復が期待されている。最近では、落ち込みに歯止めがかかり、微増か横ばいで推移するとの楽観的な見通しも出てきた。
 ただ、円高不況など景気後退が心配されており、予断は許さない。原油価格も90ドル台に値上がり、仕切価格の値上げで末端市況も値上がりしており、さらに値上がりすると、消費節約から減販も心配される。ガソリンはボトム価格が130円台に乗せているが、この水準では販売数量には影響しないとみられている。
 年末年始は冷え込み、灯油の荷動きが活発化しており、増販が期待されている。11月販売は6%増となっており、前年が低水準であったことの反動もあり、大幅増となった。しかし灯油は、電気・ガスヘの燃料転換が進むため減販基調であり、厳冬になって大幅な増販は期待できない。
 そのため、元売の在庫(1日)は223万KLと前年比で40万KL減の低位で商戦に臨んでいる。原油は90ドル台の高値で推移しており、12月は約5円/Lの値上げを実施している。先物、業転市況は63円で推移。元売は需給をタイトにしてマージン確保を優先している。
 販売業者も灯油を目玉商品として安値で販売するケースは姿を消しており、元売と同様にマージン確保を狙っている。厳冬になれば増販が見込まれるが、シーズンのヤマ場も2月末までであり、こらからが勝負時となる。在庫は低位であるが、供給面では問題がないため、あと2ヵ月間は、現状を維持しながら推移するものとみられる。最近は3~4月も冷え込むことがあるが、増販になっても国内生産増で対応が可能とみている。さらに供給不足になれば緊急輸入で対応するため、低在庫でも供給面では問題がないとみている。
 ガソリンも在庫は204万KLの低位で推移している。そのため業転玉の出回りは少なくなっている。JXエネルギーの発足を機に、各社が需要に見合った生産で対応しており、需給はバランスを保っている。ガソリン販売もマイナスから微増に転じていることも好材料となっている。
 仕切価格の値上げを受けて末端市況は値上がりし、ボトム130円台に乗せているが、この値上げで販売減になることはない。ユーザーも130円台は許容範囲であり高値とはみていない。仮に150円台となhば、消費節約により、販売減が心配されるが、今回の値上がりは販売には影響しないとみられている。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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