2011.01.18 のニュース
調査価格 ガソリン値上げ浸透も ―原油高騰で引き続きユーザー転嫁を―
石油情報センターの週動向調査(11日)によるとガソリン価格は135円90銭/Lで前週に比べて1円の値上がりとなった。四捨五入すると136円となる。昨年11月22日には132円となっており、その後は連続して値上げとなっている。通算すると4円の値上がりとなる。
軽油は116円で前週比では90銭の値上がりだが、四捨五入では横ばいである。11月が113円であったため通算すると3円の値上がりとなった。灯油はSS店頭価格が82円で前週に比べて1円の値上がり、11月が77円であったため5円の値上がりとなっている。灯油はガソリンに比べて値上がり幅が大きいが、これは仕切価格の値上げ幅が灯油の方が大幅であったのと、灯油がシーズン入りで値上げしたためである。
原油価格の高騰で仕切価格が値上げされ、販売業者がユーザー転嫁を実施、その結果、末端市況が値上がりしたことになる。ちなみに原油価格は、WTIでみると昨年9月が76ドル/バーレル(平均)であったが、10月が82ドル、11月が84ドル、12月が89ドル、現在は91ドルと値上がりしている。9日比では15ドルの大幅な値上がりである。ここにきて100ドル説も出ているが、実現しそうな値動きとなってきた。
原油価格のClF価格は昨年10月が40.5円/Lであったが11月が42円、12月中旬が45円と10月に比べると4.5円の値上がりとなる。原油価格のドルベースの値上がりに対して、円ベースでの値上がり幅が少ないのは、為替が円高で推移したためである。
原油価格は90ドル台に乗せており、東工取の原油先物は49円、ガソリンは59円、灯油は65円となっており、灯油高のガソリン安となっている。原油価格とガソリンとの価格差は10円となっており、同じく原油価格と灯油との価格差は16円となっている。灯油の方がマージン増となっている。
業転市況も値上がり傾向を強めており、引き続き仕切価格の値上げとなるため、販売業者はユーザー転嫁に取り組むことになる。仕切価格の値上げ局面では、どうしてもユーザー転嫁は遅れることになり、販売業者のマージンは減少している。今後も仕切価格の値上がりは続きそうであり、早急なユーザー転嫁が要請されている。
首都圏のガソリンのボトム価格は130円に乗せているが、本来ならば135~7円は必要とされている。安値は125~6円が散見していため、再度の値上げが期待されている。一方、石油情報センターの調奎価格は、東京が137円、神奈川が136円、千葉が132円、埼玉が133円と値上がりしている。この調査価格は現金価格であるため、実際の販売価格に比べると3円程度は割高になっている。
SS店頭ではカード割引き、会員価格など多重価格が設定されているため、実売価格とでは価格差があり、ユーザーから反発も出ている。そのため、今後のユーザー転嫁に際しては実売価格の値上げがポイントとなる。末端市況を値上げするには、まず、現金価格を値上げすることになるが、引続きカード会員、掛売価格などの値上げが重要となる。今のところ現金価格が先行して値上がりしているが、これも140円を超えると消費節約の動きが心配されている。