2011.04.12 のニュース
原油高騰、為替は円安 各社 コスト増が続く ~仕切価格は実質据え置き~
原油価格は、WTIが110ドル/バーレル台(3月上旬は100ドル程度)、中東産は115ドル(110ドル)と値上がりしている。為替も85円/ドル(82円/ドル)と円安に転じており、コスト高となってきた。原油急騰で東工取の原油先物も6万円/KL台に乗せ、6万2000円(3月上旬は5万6000円)で推移している。コスト高となっているが、石油業界としては、需給が安定していない状況での本格的な値上げは難しく苦慮している。3製油所の操業が停止しているが、他製油所のフル操業によってマクロでの供給は確保され、供給不足は解消したものの、不安定さは残っている。仕切価格は据え置きの構えにあり、ガソリン市況は安定しているが、業転・先物市況は軽油、灯油などの中間留分が値上がりしている。
なお、エクソンモービルは外販向けの値上げを実施したが、元売間でも据え置き、値上げと分かれており、停電もあるため実施日等は未定となっている。
原油価格は値上がりしており、さらに円安に転じているため、コスト増となっている。元売サイドは、本来ならば仕切価格を値上げする局面にあるが、需給も安定せず、市況も不透明であることから、据え置きと値上げに分かれた。
元売サイドは、3月11日の東日本大震災発生を機に、仕切価格を掘え置きにしてきた。その後、原油価格は値上がりしてコスト増となっているが、一時は供給不足で、業転市況なども値上がりした。また、東京工業品取引所の先物市況は値上がりしている。
とくに軽油、灯油などの中間留分は値上がり幅が大きく、被災地に向けのトラック、建設機械の稼働、自家発電用の燃料として需要が増加していることがあげられる。
ガソリンの末端市況は今のところ安定しているが、
元売によっては、仕切価格の据え置き、値上げ実施、値上げは実施するものの、停電もあるため、実施日は未定、などと方針が分かれている。