2011.04.13 のニュース
業者、無印SSの営業に反発 ―大震災で系列SSは休業に追い込まれる―
東日本大震災から1ヵ月を経過し、ガソリン、軽油などの供給不足の状況は、被災地を除いて正常化してきた。震災直後2週間は供給不足で休業する系列SSが多く、ユーザーがSSに殺到して長い行列ができて混乱したが、何故、ガソリンが無くなり混乱したのか検証が行なわれている。
一方で、系列外のプライベートブランド(無印)のSS、HCがこの緊急時に休業せずに営業しており、販売業者サイドからみると「安定供給を保証している特約店のSSが休業に追い込まれ、系列外のSSが営業しているのは矛盾する」との声が出ている。
本来ならば、緊急時であるため系列SSが優先して供給を受け、無印のSSが供給不足になることを予期したが、今回は逆で系列SSが供給がカットされて休業を余儀なくされた。そのため系列SSから「供給が優先的に確保されるべきであり、そのためにブランド料を収めている。ブランド料の中味は安定供給、品質確保などが保証されているものであり、この点が順守されないことになればブランド料は取るべきでない」との反発が出ている。
今回の大地震は、想定外の大規模であったのと、発生後に津波が発生したため、一時は6製油が操業を停止した。さらに福島第一、第二原発の事故が重なったこともあり、元売サイドは系列ルートから供給数量を大幅カットしないと供給が間に合わないと判断して、30%カットなど数量規制が打ち出された。元売もSSの立地条件を勘案して重点地区を設けて営業したSSと休業するSSと選別して対応した。その対応策も理解できるとしているが、系列SSが休業しているのに系列外のSSが営業していることは、腑に落ちないことになる。
それだけ系列外(業転市場)の取り引き量が、大量に安定して取引きされていることが実証されたことになる。元売は系列外の無印SS、HCなどに直接供給することはないが、商社、大手販売業者などを通じて供給を行なっている。国内では元売が生産した玉を供給していることになるが、商社などに販売した後の供給ルートは解明できないとしている。
自由化となり、業転市場、先物市場も容認しているため元売は供給ルートは、把握できないとしているが、販売業者は「まったく知らないことはない」と反論、業転ルートは確保され、商売として定着しており、この問題は水掛け論で終わっている。
供給不足という緊急時であるが、いわゆる系列外販売は、各社とも大口取引きとして定着しており、需給を調整するための役割を果たしていることになる。そのためやむを得ないと容認する向きもあるが、系列SSが休業して、無印SSが営業していることは不合理であるとの見方となる。HCも供給不足で一時休業したケースもあるが、その後はフル営業しており、ユーザーから支持を得ることになる。
元売のガソリンの供給カットは、まず、系列のSSに対して行なった。そのため割り当て数量を売り切ったSSは休業した。公平に販売するため一回の給油を20Lとしたため、長い行列ができ、周辺の住民から苦情が出た。ガソリン不足で被害を受けたのは最前線の系列SSとなった。