2011.04.14 のニュース
不透明さ増した仕切りの反作用
4月から元売の週仕切り体系がモデルチェンジされ、より透明度が低くなった。ここに震災対応が加わったことで、今週からの週仕切りは、片や据え置き、もう一方は値上がり、という具合に、混合状態となった。今週末には、据え置きグループも、値上げ圧力を開放せざるを得ないだろうから、ほぼ同レンジに並ぶこととなるが、少しずつ、導入時の精神から遠ざかっていることは憂慮せざるを得ない。
未曾有の非常事態という大震災要因の中で、ローリーが大幅に東日本ヘシフトした。内航製品タンカーの航送距離が延びた。3製油所の生産が完全停止したことを補うために西日本の製油所もフル稼働が要求された。全国的な自粛ムードにより、ガソリンを筆頭に燃料油の消費量が目に見えて落ちた。SSでの油外収益が燃料以上に落ち込んだ。
大震災とはやや距離を置いた原油と石油製品の要因として、この1ヵ月間で原油がリットル6.2円上昇した。製品輸入価格はA重油は10円、軽油は9円、灯油は8円、ガソリンは6.5円の値上がりを示し、原油見合い以上の製品市況の高騰が発生した。
これらを全部丸め込んでみると、以下のシナリオが描ける。
玉余りが見透かされているガソリンは、西日本では断然、蔵取りが優位になるだろう。この機能を有するPBを中心とするSSは、より優位な価格競争力を得ることになるだスう。計画配送に組み込まれた持ち届けの元売系列SSは、さらに競争力を失う。
被災地支援、東電の停電補完という大局的な要因であることは理解する。この2つのために、自らが自制し、それによって多少なりとも捻出することが可能なら、その道は正しく、我々もそれをサポートする。この我々という範囲に、被災地の外側の系列外を含む全SSが含まれる方策が必要だ。
改正とは言えない仕切り政策が、徐々に当たり前に、半ば一方的に元売から宣告される。「相互理解」も「協議」もその形跡がないような、偽装・改正続きである。高値安定のブランド料という重荷を背負わされ、さらに不透明さを増した仕切りフォーミュラで、系列SSの背負されている荷の重量が増す。これが予見できる最悪のシナリオだ。こうしたシナリオとならない方策を、系列元売は敢行すべきである。