日刊ニュース

2010.07.20 のニュース

公平・公正な税制抜本改革を

ガソリン税や軽油引取税、石油石炭税など巨額かつ多種の石油関係諸税を抱える石油販売業界にとって、税制の抜本改革は極めて重要な課題だ。これらの税額の上げ下げはSS経営に直接影響が及ぶし、税収の使途変更に係わる消費者の不満や疑問を受けるのもわが業界である。
 まず第一に大きな課題になるのが地球温暖化対策税(仮称)の扱いである。昨年、一般財源化され、税率も暫定分を含めて実質的に維持されたままのガソリン税や軽油引取税。
 これを地球温暖化対策税に衣替えする案が浮上しているが、これはあまりにも乱暴な案だ。
 公共交通機関が発達した都市に対して、車がなければ生活に支障をきたす地方では燃料の消費量が大きく違う。ガソリン税や軽油引取税が温暖化対策税となれば、地方に暮らす人たちが温暖化対策のための費用の多くを負担することになり、まさに不公平税制の象徴となる。地方の消費者や特定の業界に過度な負担を押し付けない制度設計が必要がある。
 税制のもうひとつの大きな課題が、消費税創設以来、わが業界が強く訴え続けているタツクス・オン・タツクス問題である。1989年の消費税創設時に酒やたばこなどは調整併課が行われたが、ガソリン税は道路特定財源であることを理由になんら調整も行われなかった。しかし、前述したようにガソリン税は一般財源となったのであるから、その理屈ば通らなくなったはずである。
 今年度予算ベースで計算するとガソリン税分の消費税は1427億円に達する。「選挙で10%引き上げが取り沙汰されたが、そうすると倍の2852億円と矛盾税制の負担も倍増する。公平・公正な税制の実現と消費者の負担軽減に向けて、このタツクス・オン・タツクス廃止は欠かせない課題である。
 石油関連だけでもこれほど大きな課題があるのである。国の財政の基盤となるのが公平・公正な税制である。政局に振り回されることなくきちんとした抜本改革の議論が行われることを期待する。

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