2010.07.21 のニュース
原油価格上昇に転じる 米原油流出事故収拾ヘ ―今後の原油価格に注目―
原油価格(WTI)は、15日は76.62ドル/バーレルとなり小幅変動となったが、今週は77ドル前後で推移した。7月初旬は72ドル程度であったが、アメリカの株価上昇、IEAの世界の石油需要の上方修正などの見通しから77ドル台に乗せた。原油は70~80ドルの価格帯で推移するとの見方から80ドル超えにはブレーキがかかるのか、今後の動向が注目される。原油値上がりでガソリン市況も下げ止めとなる。また、メキシコ湾の原油流出事故が収まったようであり、今後の原油価格にどう影響するか注目される。原油流出事故は原油価格には影響しないとみられていたが、供給面で懸念材料が出ると80~90ドルに上昇する(エネ研)との見方もあった。流出が止まったことで不安材料が消えるのか様子をみることになる。
原油価格(WTI)は、7月初旬には71ドル/バーレル台まで値下がりしていたが、中旬には値上がりに転じており、77ドル前後で推移し、小幅に上下している。
この値上がりを反映して、国内の先物市況は7月初旬のガソリン、灯油が各50円/L台から52円台へと値上がりしてきた。業転市況が高値となっているため、今後は原油価格の影響で、先物市況がどこまで反発するのか注目される。
原油価格が値上がりしたことで、ガソリンの末端市況は下げ止めの方向に動くものとみられている。今のところ、小幅な値下がりが続いているが、夏場商戦に入ったため、当面は市況維持が重点となる。
原油価格は、メキシコ湾岸の原油流失事故には、現状では影響していないとされていたが、今後、供給面で懸念材料が出ると、80~90ドル台に上昇するとみられている(工ネ研予想)。
今後、安全基準の強化によるコスト負担増、操業リスクの増大などが予想され、IEAでは、2O15年までには90万バーレル/日の生産減になるとの見通しも出しているため、世界の石油開発企業の経営に影響するとの予想も出ている。