2010.07.28 のニュース
経産省令 石田エネ庁長官は留任 ―資源燃料部長に安藤氏が就任―
経産省は、30日付けで幹部の人事を内定した。トップの事務次官に松永和夫・経済産業政策局長(昭和49年入省)が、後任の経済産業政策局長に安達健祐・大臣官房長(52年)が、大臣官房長に上田隆之・総括審議官(55年)が就任する。中枢の異動は2年ぶりのことである。
その他、経済産業審議官に岡田秀一・通商政策局長(51年)が、通商政策局長に、佐々木伸彦・JETRO北京センター所長(54年)が、製造産業局長に鈴木正徳・産業技術環境局長が就任する。また、貿易経済協力局長は、財務省との交流人事となり後日発令される。
なお、松永次官はエネ庁石油部流通課長、石油部長、資源・燃料部長を、上田官房長は石油部総括班長を経験している。異動は本来6月であるが、菅首相への交代、参議院選挙もあって遅れたもの。
今年の幹部異動は、官房長が産政局長に、産政局長が次官に昇格することになり、本来のパターンとなった。その意味では順当な人事となったが、上田官房長は若手の登用となった。その他の若手の登用としては高原一郎・中小企業庁長官(54年)、菅原郁郎・産業技術環境局長(56年)となっている。
退任は望月晴文・事務次官(48年)、石毛博行・経済産業審議官(49年)、平工泰文・製造産業局長(53年)、長谷川栄一・中小企業庁長官(51年)、本部和彦・資源エネルギー庁次長(52年)らとなる。退任となるが、天下り問題が取沙汰されているため、今後の就職先が注目される。
資源エネルギー庁関係では、石田徹長官(50年)が留任となった。廃案となった地球温暖化対策基本法の成立、温暖化対策税(環境税)の創設、排出量取引の制度設計、太陽光発電の電力買い取制度など継続して検討する問題があり、引き続き担当する。次長に木村雅昭・資源・燃料部長が昇格する。後任の資源・燃料部長に安藤久佳・前総理秘書官(58年)が就任する。
安藤氏は愛知県出身、東京大学法学部卒業、昭和58年に通産省入省、平成4年に基礎産業局鉄鋼業務課、エネ庁長官官房総務課を経て8年に大臣官房総務課法令審査委員、12年に通産大臣秘書官、16年に大臣官房総務課政策審議室長、17年に製造産業局鉄鋼課長、19年にエネ庁官房総合政策課長、20年に産業政策局産業政策課長、21年に総理大臣秘書官を歴任した。
安藤部長には今後の石油政策の舵取りが期待されている。エネルギー基本計画が閣議で決定されており、その推進策、来年度の新政策、予算要求に取り組む。8月末までには、予算要求を作成する。石油精製では過剰設備間題をかかえており、エネルギー供給高度化利用法で設備処理に対応する。各社が計画を提示することになるが、重質油分解比率が13%に収まるのか注目される。
販売業界は、年間約2000SSが減少しており、国内のサプライチェーンの維持が問題になっている。SSのない過疎地、離島問題が現実となってきた。また、事業仕分けでエネ研の市況調査の廃止、災害対応SS補助の廃止、経営高度化事業の廃止など販売業界に対しての風当たりが強くなっており、これに代わる対策が要請されている。