コラム

過去のコラム一覧へ

自由化の痛みに直面する全石連②対等でない元売と特約店 2001年11月07日更新

自由化の痛みに直面する全石連②
-組織基盤の縮小と対象事業の消滅-
久保 一裕
対等でない元売と特約店
 特約店が前述のような危機の中で生き残るにはどうすればよいのか。全石油構造改革ビジョンは、特約店の生き残りのための軽営パターンを次のように例示している。
(1)元売連携型 
元売に密着し、系列外仕入れをせず系列色を濃くして、他の系列特約店以上のメリットを得る方向。
(2)多角化型 
石油慨業を継続しながら他業種に売上げの主力を移していく。
(3)同業者連携型 
小規模特約店、販売店が系列内あるいは系列を超えて協業化し、対元売交渉力強化、物流共同化、石油以外の商品の共同仕入れなどを行う。
(4)特約機能充実型 
従来の特約店機能をさらに強化し、系列内の他の特約店や販売店を吸収し、元売の支店的な機能・役割を担う方向。
(5)リテール特化型 
販売機能を効率化し、系列あるいは他系列のSSを吸収して直営SS・を増やし、リ・テールヘの進出を強化する。
(6)サプライヤー特化型 
仕入れ先を多様化して、サプライヤーとして販売店に供給していく方向。プライベートブランドを目指すことも考えられる。
(7)物流機能充実型 
アメリカのジョバーのようにタンクローリーなどの物流機能を充実し、元売が独占している物流機能を獲得し競争力をつける。
(8)撤退型 
石油販売業から撤退する。 
ここに例示されている(2)から(7)までの6つのパターンは、そうとうの経営手腕と資本力、スタッフか必要で、大部分の特約店には実行が難しいだろう。 販売店についても次の5つのパターンを提示している。
(1)特約店連携型
(2)多角化型 
(3)同業者連携型
(4)複数仕入れ型 
(5)撤退型 考え方は特約店に対するパターンと同じである。 構造改革ビジョンはまた販売業者の在り方について指摘するまず、消費者ニーズを踏まえることの重要性を認識し、元売や阪売店から選ばれる特約店という視点ではなく、消費者に選ばれるSS経営には何が必要か、という視点に経営センスが問われるという。
 第二に自己責任原則に基づく主体的経営判断が必要としている。元売とは主従でなく対等のパートナーとしての関係を目指し、自己責任原則による採算重視の経営に徹する。
 第三は構造改革への取り組みで、経営環境の変化が目まぐるしい現庄は、どの業界でも企業の優勝劣敗が際立ってきている。コスト競争力に対抗できるよう企業体力の強化に取り組む必要がある。 構改ビジョンは元売の現状、元売との関係についても、つねに鋭い眼を向けていく必要を強調している。
 第一に元売と特約店の関係が対等でない。販売マージンや販売価格の設定について、元売に決定権を探られつつある。先物価格との格差が著しい不透明な仕切価格が存在している。経営補助やインセンティプの恣意的な供与により、元売が特約店を選別している。この底流には特約契約が片務的であるように、元売と特約店の関係が対等でないことがある。
 第二は元売のディーラー政策の矛盾である。一部の元売は従来の特約店契約に基づいたディーラー政策を採りつつ、一方では特約店に代わるエージェント制度を導入するなど、二律背反政策を採っており、元売自らが特約店制度の空洞化を促進している。合理的な説明のつかない仕切価格、安値量販セルフSSによるシエア確保もある。市場メカニズムが製品価格を決定する時代を迎えているのに、安値業転の放出により量販店や流通系列店による安値販売を可能にし、市場メカニズムの正常な機能を阻害している。
 第三に特約店だけにリスクを負担させたり、効率化を求める販売戦略かある。競争環境の激化で元売の利益も減少傾向にあり、指数経営(ローコスト経営)による販売マージン固定化戦略や、マージン下振れリスクを特約店に負わせることで収益確保を図ろうとしている。経費削減やコスト競争力向上は必要だが、元売自身は過剰設備を廃棄せず特約店にだけコスト削減による効率化を求めるようなシステムを続けていけば、特約店の系列離れは避けられない。
 以上のような元売の政策に対して、全石連は次のような提言をしている。
◎元売自身の効率化 
(1)過剰精製設備の削減 
(2)販売効率化
◎特約店経営を尊重したディーラー政策 
(3)特約店契約の見直し 
(4)仕切価格の透明化
(5)安値業転の放出禁止
(6)商標権の乱用防止
(7)エージェント制導入見直し
 全石油構改ビジョンは結論として次のようにいっている。
「現在は元売4社体制が維持されているが、元売の効率化が進まなかったり、仕入れ多様化による脱系列化が進めは、元売の収益環境はさらに悪化し、元売と販売業者が共倒れする危険性がある。こうした状況を打開するためには、元売と特約店が役割を分担し、重複する役割についてはコスト削減の観点から見直しを行うなど、相互協力体制を組むことがお互いの利益につながると考える」


『石油政策』10月10日号より
提供元: 株式会社 セントラル通信社
〒101-0063 東京都千代田区淡路町1-11
TEL: 03-3255-0631
FAX: 03-3255-0634

『石油政策』ご希望の方には、サンプル送付致します。
ご連絡は上記まで、電話またはFAXでお問い合わせ下さい。

ユーザーID:
パスワード:
ログインする
e-BISTRADE