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大きい元売の圧力 業転玉購入の難しさ実証 2001年03月16日更新

県内に出回る1部の安値に対して、「どうしてあんな安値がでるんだ」との声が出ている。
しかも実際は、業転玉・先物玉を利用すれば90円を切る価格もそう難しいことではないことが分かる。例えば業転玉なら現在83円前後、先物玉ならさらに安く手に入れることができる。
 むろん、これらの玉を大量に仕入れ、低価格で販売することは通常の系列業者には不可能だ。先物玉・業転玉を購入する業者も、「うちの仕入れは3分の1が業転玉、3分の1が先物玉、3分の1が元売玉といったようにしている。元売玉はマーク料と割り切っているが、圧力もありこれ以上は減らせない。そうすると結局価格が混ざってそれほど競争力のある玉にならない」と元売の圧力による業転玉・先物玉購入の難しさを話す。
 県内の低価格を構成しているのは、そういった玉に頼らなくても価格競争力のある玉を仕入れることができる元売子会社と大手フリートだ。しかしこれらの業者に対抗するには、「元売が競争力のない玉しか提供できない現状では、マークを外して自由に玉を仕入れるしかない」(某民族系特約店)との言葉が出ている。実際、元売子会社、フリート、商社系以外で極端な低価格を出しているのは無印のSS業者だけだ。
 実際その言葉通り県内では無印業者が増えてきている。無印業者は「当然、やろうと思えばわれわれだって80円台は難しい価格ではない。ただ周辺との協調上と、無意味に利益を低下させる必要がないから、価格を合わせているに過ぎない」とはっきり言い切る業者が多く、元売を離れれば自由な価格が設定できることをうかがわせる。
 元売マークには想像以上に消費者に対する「ブランドカ」があるのは事実だ。だが安く仕入れる玉があるのに、指をくわえて見ているしかないジレンマをSS業者が抱えていることは間違いない。元売の販売業者に対する施策も、変更する必要が出ててきているのかも知れない。

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