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末端転嫁、正念場の4月 2001年04月06日更新

4月の末端市場は、一昨年からの原油値上がりによるコストアップ分の末端転嫁の正念場の月である。このため元売筋としても、ボトムアップを中心にコスト回収に全力を挙げ
ることにしており、実質的には値上げのケースが多くなる。各油種の中で、ガソリンが最もコストアップ分の回収が進み、未達分は全体的には1円未満となっているが、首都圏、近畿の1部では依然ガソリンの安値が散見されている。原油値上がり分のコストアップ分が完全に末端価格に転嫁されないということは、未達分が赤字で石油業界が負担しているということである。
 軽油、灯油などの中間留分については、コストアップの未達分は、いまだに4円~5円にも達している。末端転媛の完達が遅れれば遅れるほど、その分、石油業界の負担がそのまま累積されるわけで、赤字は増加の一途をたどることになる。販売業者としても、とにかく採算ベースに乗せる適正価格を設定すべきである。
元売サイドとしてもコスト競争のため、もうこれ以上は何も出ないところまで追い込まれている。それだけに値取りについても確実に取り切ることにしており、調整することなどはとうてい望めない。販売業者としても自己責任のもとに、自分のところの採算確保を図っていくことが何よりも必要なことであろう。原油値上がりから2年経過して、いまだに末端価格が取り切れないことは、業界としてもこの4月こそ完達の限界である。

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