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自動車産業界における環境技術への意識と動向 2001年06月19日更新

自動車生産台数と保有台数がアジア、中南米、東欧にまでまたがって増加することが確実視される自動車産業界の現況であるが、それにともなって環境汚染問題がクローズアップされてきている。環境汚染に関する課題は廃棄車の再利用と排気ガスによる大気汚染の防止が二大要素である。廃棄車の再利用に関してはリサイクル法があり、これはすでに欧州で立法化されており日本においても目下立法化が検討されている。
 自動車リサイクルの特許出願数を見ると各国にそれぞれ特徴があり、外国の場合は自動車の各部品に関して出願数が平均的に伸びているのに対し、日本の場合、1990年頃までは内装シートなどの出願が多かった。しかし、日本全体の出願数が急激に伸び始めた1992年以降、エンジン、電装品の出願が増えている。このことは大気汚染の問題に関して日本の自動車産業界が積極的に取り組んでいることを示すものである。
 2000年度の環境庁大気保全局の報告によると、国内のハイブリッド車の特許出願数は右肩上がりに上昇し続け、すでにトヨタ、日産、本田をはじめ7社が市場登入するなど国内におけるハイブリッド車の普及台数は1999年には35,000台を超えた。これに対して欧米の環境技術の開発動向の特徴は小型ディーゼルエンジン及びメタノール、エタノールエンジンの開発に力を入れ実績を上げてきた点である。しかし、自動車産業界における環境技術の開発には莫大なコストがかかり、大手自動車メーカーでさえ一社での単独開発は困難である。そのためトヨタがVW、GM、クライスラーと、三菱がボルボ、プジョー、ダイムラー・クライスラーとそれぞれ共同開発、技術供与をするなど国や企業系列を越えた連携が盛んに行われている。

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