コラム

過去のコラム一覧へ

フル、セルフ二極化はコーヒー業界と類似 2001年05月23日更新

セルフとフルの二極化構造は、なにも石販業界に限ったことではない。外資系と民族系が強烈なしのぎを削るカフェ業界でもこの構図が同様に存在する。店舗が集中する地区では一部撤退する業者や業態転換を行う業者が見られる点など、石販業界と類似する点は数多い。業態多角化が進む石販業界にとって、カフェ業界に見習うべき点も少なくないようだ。
 現在の市場規模が1億3千万円超ともいわれるカフェ業界は、従来からのセルサービス型の純喫茶店に、80年代から後発参入した店舗に給仕がいないスタイルを採るセルフサービス型のカフェ、続いて90年代に入ってコーヒーのエキスを濃くとったエスプレッソをメーンにするエスプレッソカフェ型が参入と、石販業界よりも一足早く業態の多用化が進行した業界だ。
 フルサービスでは1杯約500円、セルフサービスでは1杯200円を切るという両者のコーヒー1杯の価格差は、2~3円で話題になる石販業界のレギュラーガソリンの価格差のそれと比較しても段違いに大きい。デフレ傾向が強い中では客の流れはやはりセルフに流れているようだが、それでもカフェ業者の一部には、高齢化社会化を踏まえ、リタイア層のニーズに合わせてフルサービス型を復権させていこうとする業者もみられ、フル側の価格は目立って下がることもなく現在まで来ているのが現状。
 「セルフにつられない価格政策には頭の下がる思いだ。目先の話としてセルフがとかく取り沙汰されがちだが、それはあくまで過渡期だから。普通に考えても高年齢層が自分で入れる手間を敬遠するのは目に見えている。自分もいずれ行く道であることを考えたら、『高齢者対応型』というジャンルが必要不可欠になるだろう」(都内民族系特約店)といった展望を話す声も。

ユーザーID:
パスワード:
ログインする
e-BISTRADE