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エコカー開発競争の前進 2001年05月28日更新

環境に優しい次世代エコカーの開発競争が展開されている。エコカーとは(1)撚料の代替性、(2)排ガス性能、(3)燃費性能の3要件を同じに満たすもので、具体的には(1)エンジンと電気モーターを組み合せたハイブリッド車、(2)天然ガス車、(3)水素の化学反応で発電する燃料電池車、(4)電気自動車でこの4種類が実用・普及への開発競争が展開されている。メタノール車が注目されたことがあったが排ガスから有毒物質が出る等の理由で既に脱落している。工コカーが注目されるようになってきたのは1990年代に入って地球温暖化対策でガソリン燃焼で排出する二酸化炭素(CO2)が温暖化の原因物質とされ、そのため、ガソリンを使わないか、最少のガソリンで効率的走行(燃費向上効果)が必要視されることになった。
 電気自動車はバッテリーに充電したモーターを回す。エンジンが無いので排ガスはゼロ。発電所のCO2排出量を計算に入れてもガソリン車の半分程度だがバッテリーが重く高価が課題である。ハイブリッド車はガソリンとモーターを組み合せ低速時にモーターを使用。天然ガスはガソリンエンジンからの転用が比較的容易でCO2、窒素酸化物(NOx)の排出量も少ない。究極視されているのが燃料電池車で燃料が水素。水素と酸素を結合して電気を発生させ排出物は水である。最近、試作車走行テスト実施、2003年~2005年に実用化説が多い。だが実用化には(1)燃料の水素を安全、且つ、効率的に自動車に搭載、貯蔵する技術は難しく、コストは高く燃料輸送、供給インフラに時間を要し最終的には解決すべき課題が多く、実用化は無理との見方がある。その点、ハイブリッド車、天然ガス車の市場規模は拡大する。それよりはガソリン、ディーゼル燃料の品質が一段と向上し、排ガス、燃費性、給油所網から判断しガソリン車の競争優位が永続するとの見方も多いことに注目したい。

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