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人件費を削ったら売上も削れた?サービス低下に頭抱える 2001年06月12日更新

最近、徹底したコスト削減によるサービスレベルの低下が問題となっている。価格競争に打ち勝つためには人件費削減が必要とどのSS業者も削減に必死だ。しかしそれが顧客満足度の低下につながり、ひいては燃料油減、収益悪化と悪循環に陥るケースがままみられる。価格では差別化を図りにくい今、SSの全体的なレベル向上が生き残りの条件と言える。
 徹底したコスト削減を行ったある特約店のSSマネジャーは、最近客からのクレームが急増したと話す。そのほとんどがスタッフの接客、応対、誘導の手際が悪いなと、スタッフの態度に対すらもので、「その都度対応はしているのですが」と話す。
 クレームに対して何が悪いのか客が納得できるような適切な対応と、その問題点を理解し解決できればある程度客離れは防ぐことができる。しかし都内のあるSSではユーザーがクレームの内容を所長に伝えたところ満足なクレーム処理ができず、この客は結局本社まで掛け合った。しかし本社サイドでも十分なクレーム処理をすることはなかった。
「結局、人数的な問題からくるクレームがほとんどだからこういったことが起こる。人員削減により一人一人が限界以上の仕事をしているから、顧客への対応もそれなりのものになってしまう、残念なことだ」(東京東部SSマネジャー)。顧客へのサービス低下は本来あってはならないことだが、人員的にサービスレベルを低下させないと客をさばけないとこのマネジャーは現場の苦悩を語る。
 人員不足はSSの美化にも悪影響を及ぼしている。余裕のなさをもっとも表しているのが、ゲストルームのケミカル商品にほこりがかぶっているのや、トイレが清掃されていないのを見たときである。この美化意識低下こそが客離れにつながると、少ない人数のなかで意識してSS美化の再徹底をおこなうSSもある。
だが人員の削減されたSSでできることには限界がある。「本音を言うと、今の元売、特約店の方針は矛盾だらけ。少ない人員でサービスをアップさせろとは、あきらかに矛盾している。混雑時のSSの混乱をわかっているのだろうか」(千葉北部外資系)と、人件費を削ったが売り上げも削れたと、笑い話にもならないような現場の窮状を訴える声が日に日に高まっている。

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