売り方入門

カーショップは敵じゃない(その1)

それでは今回から具体的なオイルの販売方法の研究を行っていきましょう。皆さん、前回のレポートでカーショップのチャネルイメージを図式化しましたが覚えていますか?そう、カーショップの位置付けはサービスも価格も普通のレベルでしたよね。では何故、そんな普通レベルのカーショップにSSは顧客を奪われてしまったのでしょうか。
カーショップが世の中に出現したのは今から約20年ほど前になりますが、なんとこの20年の間にカーショップは日本のオイル交換シェアを40%以上も奪っていってしまったのです。悲しいですね。しかも、もともとカーショップの作業ノウハウというのは、日本石油㈱がSS向けに開発した「日石チューンナップ」というマニュアルをベースに構築されたものなのだそうです!あー、何と、20年でシェアを半分以下にしてしまったSS業界、これに対して急激に成長し40%以上のシェアを獲得したカーショップ。これじゃあ、カーショップは敵じゃない、どころか勝ち目のない強敵じゃあないですか。

でもこの違いはいったい何に起因しているのでしょうか?SSは従来(今から10年近く前までは)ガソリン1リットルで20円近いマージンを享受していました。つまり、ガソリンだけで十分な利益があったのです。その結果、SSは他の商品の販売などには力が入らず、品揃えの点で配慮がない上に価格は硬直的、とお客様にとって全く魅力のない場所になってしまったのです。しかも最近は、ガソリンの過当競争でSSの収益は非常に厳しくなり、豊富な知識をもった正社員の確保もままならず、窓拭きと給油しか出来ないパートやアルバイトを増やした結果、更にお客様の不満を高めてしまったのです。これに対してカーショップは、オイルを顧客獲得のための最高の商品であり最大の武器と考えました。というのも、SSにはガソリンという非常に集客力の高い商品がありましたが、カーショップにはそれがありません。皆さん考えてみて下さい。SSには年に何回行きますか?それに対してカーショップは何回行きますか?歴然とした差がありますよね。そこでカーショップは、ガソリンの次に集客力のある商品は何か?と考えたのです。考えてみると自ずとその答え(力を入れるべき商品)が見えてきますよね。それがオイルなのです。オイルは平均で年2.5回程度交換します。ということは、少なくともその回数だけお客様を店に呼ぶことが出来るのです。ガソリンにはかないませんが、オイルは確実にお客様を店に呼ぶ事が出来る商品なのです。でもガソリンという非常に強力な武器を持っていながらオイル交換のシェアをそんなに奪われてしまったSS業界は、一体何をしていたのでしょう。
今やこれだけ力をつけたカーショップからSSがまたお客様を取り戻すことなど出来るのでしょうか?次回はそんな不安を吹き飛ばす、カーショップの欠点に迫っていきます。

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